2021-06-09

子供の頃に思った。写真とは.



子供の頃に思った。写真とは、欲しいと思ったモノを所有できる道具。絵を描くよりも早く車の写真を撮った。ある日、車の前に飛び出して撮影し、ひどく怒られた。トラウマになって、写真を撮らなくなり絵を描き始る。車を所有したかったわけじゃない。走ってくる車が欲しかった。そんなことを思い出した。


絵は貧しくても紙と鉛筆でなんとかなる。だからドローイング(落書きを極める)とかやってたわけだ。20年前に絵がかけなくなって写真を撮り出して、それなりに絵で稼いだお金で写真(フィルム)を撮りまくった。悪くないから続けた方が良いと言われたが、お金がなくなってやめた。


その程度の覚悟だった。写真を撮るいくつか理由があった。絵を描かなくても制作している感じになって自分を安心させれる。撮影することで、他者、社会との強制的なコネクト。風景をみる(歩き風を感じる)。結果、線について多角的に思考し、絵が上手くなった。


当時の写真は、覚悟のない人間や、貧しい人が簡単に手を出せるジャンルではなかった。日常的に努力しやすいドローイングとは違う。時は流れ、2010年のデジタル技術の進歩は凄かった。現像しなくていい、とった写真をすぐ確認できる。しかしまだデジタル一眼は高額だった。


2020年デジタル一眼を展示品価格で買う(オリンパスPEN(E-PL9)。小金が入ったので買える時に手頃なものを買った。PL10の商品入れ替えの為だろう、レンズにゴミ入ってたから、すぐ無料で修理する)。ただ半年間置きっ放しだった。桜の季節となり、妻との散歩に何気なく首から掛けた。


以前は、絵描きの写真と言われるのが嫌で勉強もした。20年前に写真にハマった時、「写真が上手くなったからってなんだ!」と言われて、それがずっと喉に詰まっていた。テーマがないから作品が作れない。それっぽい写真が撮れる技術が上がってくだけ。


そして石巻に来た。引っ越し、住民票を移し、スペースを作り、地元の作家だけで運営できるようになったら抜けて、別の場所で別のスペース運営し、文化(アート)を点ではなく線にして、面にする目標を立てる。絵を描く様に、この動き(行為)が今の私の(関係性の)作品になっている。


絵は自分本位で制作できる。画面には必要な線や色を自分で決めて置いて行く。無駄なものはない。しかし写真は、あるがままが写ってしまう。画面の四隅に注意を向けないといけない。自分以外のコトに真剣に向き合わなくてはいけない。私には新鮮だった。


石巻での私の動きは写真に向き合いやすいマインドにしていた。妻と桜を見に散歩に出かけ妻の写真を撮る。楽しかった。妻も私も自分の写った写真が嫌いなので二人とも、ほぼ子供の頃の写真がない。それは今も変わらなかった。そんな二人に突然起こったコト。何かが変わった。


愛知(犬山)でドローイングを「楽描きを極める」と言って毎日描いていた。37歳の時に絵がかけなくなって写真を撮り始めた頃に、水戸での展覧会の話があり引っ越す。全てをリセットした。その後に結婚したのも大きい。初めて他者と真剣に向き合ったのだから。


40歳に結婚と同時に柏(千葉)に移る。妻が病気の文鳥を飼っていて、そこに日本で1番の鳥の病院があると聞いた。柏に引っ越したのは、それだけが理由だ。その時、「妻に絵で稼いでほしい」と言われ、ドローイングでは無理なので、ペインティングを始めることにした。


あまりモノに成ったとは言い難いが10年かけてニューヨークやパリで個展開けるくらいには成った。そして石巻に移った。その場所に行けば、その場所でしかできないコトガある。石巻ではそれが、街のアートシーンの立ち上げだった。ドローイングで10年(30代)、ペインティングで10年(40代)、そして石巻(50代)は写真なのか!?。


私の絵画ば関係性の作品。自分と他者、社会の関係性を紙に落とし込んで行く。例えば、新聞の中央に白い絵具を拳くらいの大きさで塗り、そこに鉛筆で楽描きをして行く。それが街に拡大した時、他者や社会への向き合い方が写真に合って来たのかもしれない。27歳でキワマリ荘立ち上げてるが社会性の自覚なし。)


最近、写真のyoutubeをよく見るんだけど、上手くなるコツの1番は高い機材を買う。2番は「枚数を撮ること」まあ、あらゆることの基本「まず数をこなす」。今はデジカメがあるし(安くなったし)、youtubeで基礎の技術や知識は簡単に学べる。最高だ。確かに、撮りたい写真ができると向き合い方が変わる。


旅行雑誌やファッション誌に載る様な写真を撮りたい訳じゃない。写真を仕事にしたい訳でもない。ただ写真で作品が作りたいだけだ。ただ、penのモニターはチルト式で、自分が撮りたい写真にはバリアアングル式の方が良いと分かった。


f1.8で25mmと45mmどっちのレンズ買うべきか悩むに当たって、自分の撮りたい作品に向き合う。これは勉強になった。結局しばらく買わない決断。方針を決めかねている。縛りを作って、それに向き合う方法も面白いかもしれない。試しに写真集を作っている。今はそんな感じ。



つづく